スプラッシュTODAY(ネイチャー)

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2017年02月20日

パラオの野性蘭(024) Dendrobium patentifiliforme

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火山島の涼しげな渓流沿いなどで大き目の樹幹に生息する着生ランです。
他のラン類と混在することも多く、稀に低いところに生えてしまい、地を這うようにしている場合もあります。

細く硬い茎が最大1m近く伸びて梯子状に葉が付きます。
薄く柔らかい葉は細長い紡錘形で長さ15cm、幅2cmほど。表面には光沢があります。
葉の根本からごく短い花軸が伸びて、一つもしくは二つの花を咲かせます。

花は変わった形で逆位で咲きます。萼片花弁共に細長く地側に向かって伸び、長い髪が流れるように見えます。1cm弱の唇弁は先端にたくさんの毛が生えたようなブラシ状になっています。色は全体的に緑がかった薄い黄色です。
この花の最も変わっているのは、咲いた次の日には姿が豹変してしまうこと。特徴的な細長く垂れ下がった花びらが、次の日にはクルクルと丸まって、縮れてしまうのです。
綺麗な流れるようなロングヘアーが一晩でアフロヘアーに・・・。
見つける機会が多いのは、咲き終わったアフロが多いので、見つけるとちょっと悔しい気持ちになっちゃいます。

この珍しいランは、パラオでしか見られない固有種になります。

花を見る機会の少ない種類なので、見つけたときにはかなりテンション上がります。
ランドツアーで行くガラスマオの滝で時々見られますので、テンションのやたら上がったガイドも同時に見られるかもしれません(笑)。

Wild Orchid of PALAU 024



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 10:21 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

パラオの野性蘭(023) Dendrobium palawensis パラオチョウセッコク

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ロックアイランドのマングローブ周辺で見られる着生ランです。ランの仲間の代表格デンドロビウムの仲間であり、パラオ固有種で大きく派手な花。まさにパラオのランの代表格とも言える種です。
マングローブの森の中で、大き目の木の樹幹やロックアイランドの石灰岩状に直接着生するので、森の中に進入する以外には観察する手立てはありません。

割合に大型で、細長く伸ばした紡錘形の偽球茎を持ち、その先に二枚の葉を付けるのが特徴で、この容姿の種類はパラオには他にはありませんので、よく目立ちます。
葉は紡錘形で硬く厚く光沢があります。長さは20cm、幅8cmくらいまでなり、真ん中に一本筋が入ります。葉の間から丈夫な花軸が40cmほど伸び、先端に10個くらいの花を咲かせます。

花はパラオで見られる中では一番華美な様相で、萼片は三角形で薄緑色。花弁は白く、紡錘形ですが根本が丸まって管状になっています。唇弁は大きく派手で、三叉し根本側は丸まって蕊注を包みます。先端はハート型。薄緑色ですが、赤紫の細い線が多数入ります。
花の大きさはパラオでは二番目に大きく横幅で4cm以上になります。
なかなか行く機会の少ない場所に生えているため、周年を通じての記録が取りづらい種なので開花時期は不確実ですが、おそらく一年中咲いているものと思われます。

花も綺麗な花ですし、マングローブの中に行かないと見られない種類なので、見つけるととてもうれしい種類です。

パラオチョウセッコクは同じ仲間で広域分布し種内変異も多いDendrobium macrophyllumのバリエーションの一つという考えもあり、D.palawensisの名はシノニムにされている場合も多いのですが、最近では独立種として確立されています。
めでたく独立種とされましたので、パラオ固有種ということになります。

極々稀に民家の軒先で栽培されている場合がありますが、育成は難しいらしくすぐに姿を消してしまいます。
マングローブの森の奥、人知れずひっそりと花を咲かせる美しいランもあるのです。

Wild Orchid of PALAU 023



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 10:21 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

パラオの野性蘭(022) Dendrobium mirbelianum

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火山島やマングローブの中で樹木の枝などに生息する着生ラン。垂直の樹幹にも付きますが、どちらかと言うと太い枝の股など安定のよさそうな場所に着生することが多い種類です。着生するのは割合に高い木のうえが多いため、間近で見る機会の少ない種でもあります。

いかにもデンドロビウム属らしい節だった太い茎から梯子状に葉を出します。
葉は長い楕円形で長さが最大で15cm、幅5cmほどまでなります。光沢があって厚く固めで中央に一本の筋が入ります。節から十数枚の葉が出て節の途中から長い花軸が伸びてきます。花軸は50cmに達することもあり、割合にまとまった花を咲かせます。花軸は一株から数本出ることもあります。

花はパラオで見られるランの中では二番目に大きな花で横幅で4cmほどあります。萼片、花弁共に長い紡錘形で花弁がやや長くなります。花の色は緑がかった黄色から山吹色。唇弁は大きく三叉し根本は蕊注を囲うように丸まります。先端は舌状で縁は波打ちます。唇弁は全体的に薄黄色ですが、中心部は白く根本内側と先端部には赤い線が入ります。蕊柱は黄色で1cmほど。
大きな花で一度にたくさん咲き、花期も長く丈夫で育てやすいことから、民家の軒先でも栽培されていることの多い種類です。

PPRのトレッキングロードにも生えていますし、ガラスマオの滝やガルドック湖のトレッキングロードでも見つかるので、比較的出会いやすい種類と言えますが、割合に高い場所にあったりするので、花が咲いていても目の前で見るチャンスはあまりありません。

そんな花なので、近くで見られた場合には、嬉しさ倍増の種類です。

Wild Orchid of PALAU 022



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 07:50 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする