スプラッシュTODAY(ネイチャー)

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2017年01月19日

パラオの野性蘭(006) Bulbophyllum membranaceum

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樹木の幹に生息する着生ランで、ちょっとしたジャングルの中でだったら何処でも見られ数も多い種類です。

涙型の小さなバルブに紡錘形の小さな葉っぱが付いて、それが根茎でつながって群生します。すごいときには木の幹一面がびっしりと覆われるくらい。
環境さえあっていればそれこそ山ほど見られる種類なのですが、花を見る機会は極々僅か。僕もパラオ歴12年目ですが、花を見たのは三回しかありません。花が咲き終わった後の実や種の散ったあとの鞘ですら見る機会は非常に少ないので、実際に開花するのも稀なのでしょう。

花はちょっと変わった姿をしていて、印象としてはスーパーマリオのパックンフラワーのイメージです。
花弁はとても小さくほとんど見えません。萼片三枚が合わさって蕾ができますが、その内開くのは上の一枚背萼片のみで、下二枚の側萼片は合わさってスプーン状になっています。
色は黄色と赤紫の合わさったグラデーション。大きさは5oほどととても小さいのも目に付きづらい要因で、見る機会が少ないのかも知れませんね。

以前はB.gibonianumとご紹介していましたが、分類が変わってこちらの名前になっています。ランの仲間は18世紀から記載が進み、様々な研究者が別々に同じ種を記載していたものが多いので、最近の様々な研究により統廃合が進んだり、別種となることが多いので、混乱しやすいですね。

マレーシアから東南アジア島嶼、ニューギニア、ソロモンからポリネシアと広く分布する種類です。

ランドツアーで行くガラスマオの滝のトレッキングロードにたくさんありますが、もし花を見つけてしまった場合には、興奮して撮影モードに入ってしまうかもしれませんのでその場合には、ご迷惑をおかけするかもしれませんが笑って暖かい目で見守ってくださいね(笑)。



上杉 誠
posted by ネイチャーガイド at 11:29 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月17日

パラオの野性蘭(005) Acriopsis liliifolia

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樹上に生育する着生ランで、ロックアイランドを中心にバベルダオブでも見られます。
割合風通しのよい森林外縁を好むようでバベルダオブのジャングルよりはカヤックツアーでロックアイランドのそばを漕いでいる時のほうが見られます。

株は樹幹に密集して生えることが多く、よく目立ちます。
直径が2~3cmほどの小さなたまねぎのようなほぼ球状のバルブから2~3枚の細長く先の丸い剣状の葉が伸びます。葉の長さは20~30に達します。バルブの下からはたまねぎのように細い根がたくさん伸びるので、着生している根本はふさふさして見えるのも特徴的です。
葉の根本から花柄が伸び、60cmを越えて長く伸びるときもあります。総列花序で一時にたくさんの花を咲かせますが、花柄が枝分かれするため見事に咲きます。根本側から順次裂いていきますので、一度咲き始めるとしばらく花が楽しめますね。時期的には乾季に咲いていることが多いですが、花を見る機会は少ない種類です。

花は上萼片と側花弁、融合した下萼片がほぼ同じ大きさで十字型に咲きます。色は緑がかった黄色から薄い黄色。唇弁は他の花弁とほぼ同じ大きさで白く、先端が三叉しています。
開いた側花弁の幅で1cmほどと非常に小さな花ですが、写真のように可憐な姿をしています。
インド・東南アジアからオーストラリアまで広く分布する種ですが、生息地によってカラーバリエーションがあり、園芸品種として好まれるものは、花弁が赤紫やピンクのものが栽培されます。でも、パラオでは黄色の花のみが見られます。

昔の文献などではA.javanicaとされていましたが、最近の分類ではA.liliifoliaとされているようです。

以前カヤックで行っていたアイライやニッコーベイエリアでよく見られましたが、ガラスマオの滝のトレッキングロードにも一株見つけています。でも、道から外れているので見るのは難しいかも・・・。
自然紹介ツアーではないですが、歴史探訪ツアーで行くアルマテン砲台で見られますよ〜。



上杉 誠
posted by ネイチャーガイド at 14:36 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月16日

パラオの野性蘭(004)Arundina graminiforia ナリヤラン

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バベルダオブ全域の日当たりが良く、ある程度乾燥した草地に多い地生ランです。
大きめの花が咲き、背も高いので道沿いによく目立つ種類ですが、実は移入種とされています。
育てやすく丈夫なので、園芸用に用いられたものが、飛び火してバベルダオブ全土に広がったようです。ただし、乾燥地を好むため、人の手の入った土地には良く根付きますが、自然のジャングルの中などには進出できないのが幸いしています。

白く大きな花びらが三枚と紫色の大きな唇弁で十字型の花に見えます。
株は伸びると150cm以上まで伸びるパラオでは大型の種ですので、道沿いで密集して生えているとなかなかきれいです。
稀に花びらもピンクがかった色をしているものもあります。西表などでは、ピンクがかった方が一般的なようですね。

葉っぱは10~20cmほどの先がとがった細長い剣状で交互について伸びていきます。草地に生える姿は花が無かったらイネ科の植物のようです。
ちなみに属名の Arundina は「Arund=アシ」。茎がアシに似ていることから名づけられ、種小名の graminifolia は「イネ科植物のような葉の」という意味だそうで、花ではなくて、とことん葉っぱが注目されているのですね。(学名はArundina banbusifoliaとされる場合もあります)
茎の途中から新たな株ができて枝分かれして成長しますが、この根元から折って土に植えるとそのまま成長していきます。そのせいでどんどん増えてしまうのですね。

日本にも分布するので、ナリヤランと言う和名も付けられていますが、この花の標本が得られた西表島の成屋集落から来た名前です。残念ながら西表島では乱獲により絶滅の危機にあるとか…。(環境省レッドデータリスト絶滅危惧TB類)パラオにはいくらでもあるんですけどねぇ。

取り立てご紹介する機会は少ない種類ですが、バベルダオブには沢山ありますので、ランドツアーではいつでもお見せできますよ〜。



上杉 誠
posted by ネイチャーガイド at 14:44 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする