スプラッシュTODAY(ネイチャー)

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2017年04月23日

パラオの蝶(011) Zizina otis ヒメサルビアシジミ

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ヒメサルビアシジミはパラオの市街地から郊外の草丈の短い開けた草原部で普通に見られる小型のチョウの仲間です。

大きさは翅を広げても1.5cm程と非常に小さいためなかなか気付かれていないようです。
しかしながら、シジミチョウの仲間に共通の翅の表面には光沢のある構造色による青い輝きが見られ、良く見ると美しいチョウでもあります。

翅の表面の青い輝きの面積で雌雄は簡単に見分けられ、翅全体が青く輝くのはオス(写真一枚目)で、全体が黒っぽく基部だけが青いのがメスとなります。
翅の裏面にも性差が表れ、オスは全体的に青白く、メスは茶色がかっていることでも見分けることが出来ます。(写真二枚目左メス右オス)

ヒメサルビアシジミは従来はシルビアシジミ(旧Zizina Otis emelina)の南西諸島亜種であるとされていましたが、2006年にDNA解析や食草、斑紋などの違いから独立種となっています。しかしその際に旧来シルビアに充てられていたZ.otisがヒメシルビアのものとなり、シルビアには新学名のZ,Emeliaが当てられ、日本では旧来のものが新種となってしまっている面白い現象が起こっています。

食草はマメ科の植物全般で、特に芝生に紛れる小さなマメ科植物に卵を産みます。

PPRの芝生には沢山の本種が住んでいるので、吸蜜や日向ぼっこ、求愛から産卵までの行動を手軽に観察できる場所になっています。
ちょっとした空き時間、小さな小さな普段は目に留まらない生物たちの命の煌めきを観察してみるのも、たまには良いのではないでしょうか。

Butterfly of PALAU 011



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 13:36 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

パラオの蝶(010) Vagrans egista オナガタテハ

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オナガタテハはパラオの森林内部に生息する中型のタテハチョウの仲間です。

翅表面のオレンジ色が鮮やかで良く目立ちます(写真一枚目)が、翅裏面は茶色のまだら模様で暗い林床部などでは枯れ葉にまぎれ良い保護色になります。(写真二枚目)
後翅の後縁が僅かに延びるのが名前の由来です。

速い速度で飛び回り、なかなか止まることがありません。止まったと思ってもクイックな動きで落ち着きがなく絶えず動き回り、さらには警戒心も強く近づくことが容易ではないため、観察の難しい種類です。
観察のチャンスは吸水のとき。チョウの仲間は花の蜜に限らず、地上の水分を吸いに来ることが多いのですが、オナガタテハもその例に漏れず地面の水分を吸っている姿を見ます。
特に午前中まだ木陰になっている林道などで地面に降りて吸水している様子を見る機会が多いですね。
その際にもせわしなく動き回りながら吸水しており、翅も絶えず動かしているので、チャンスとは言え、撮影はなかなかに難しいものがあります。

そんなオナガタテハも、コモンタイマイのときに紹介したランタナでは、大人しく吸蜜していたので、写真一枚目のような写真が撮れたのです。このランタナ、本当にチョウの撮影には重宝します。

PPRの裏山にいっぱいいますので、ガーデンウォークでも良く見られる種類です。

Butterfly of PALAU 010



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 16:12 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月16日

パラオの蝶(009) Junonia hedonia イワサキタテハモドキ

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イワサキタテハモドキはパラオで最も一般的に見られる中型のチョウの一種で、やや開けた森林外縁で多く見られる他、市街地でも見ることが出来ます。
あまり高くは飛ばず、ひらひらとゆっくり飛び、地上や木の葉の上などに頻繁にとまり、翅もよく広げることから観察や撮影もしやすい種類です。

翅の表面の明るい茶色は森林内部でも良く目立ち、後翅に並ぶオレンジ色の斑紋が特徴的。(写真一枚目)
逆に裏面は暗褐色で地上に降りた場合には枯葉などに良く混じる隠蔽色となっていて、目立たない色になっています。暗い林床部などで着陸して止まっている場合には、隠蔽のためか羽を閉じていることが多いですが、日の当たる地上や木の葉の上などでは完全に羽を開いて日向ぼっこをしている姿も良く見かけます。
この裏面の色は光の当たり具合によってはメタリックブルーに輝いて見えるため、実はとても美しい色になっています。(写真二枚目)
おそらくは光の角度によって変わって見えるこの色を使って求愛に役立てているものと考えられます。

求愛行動も良く見られ、地上などに止まって羽を閉じているメスの周囲をダンスを踊るように盛んに動き回りながら飛ぶオスの様子が良く見られます。

食草はシソモドキでパラオで多く見られる種類なので、繁殖も容易に出来ます。

幼虫は頭だけが朱色で、全身は黒く細長い体型で、全体的に房状の突起が生えています。

数も多く、行動も穏やかなので観察にはもってこい。パラオでのチョウ観察はこの種類から始めるのが良いですね。

Butterfly of PALAU 009



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 09:16 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする