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2014年06月20日

サンゴの白化、クラゲの白化

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今年はエルニーニョが発生していると言います。
エルニーニョが起こると、大概海の水温が上がってきます。
ここ最近は海の水が温く感じるくらいなので、確実にいつもよりは水温が高くなっていて、サンゴ礁センターで取っている記録でも、例年より2℃ほど上がっているといいます。

そうなってくると怖いのがサンゴの白化現象。

特に今年は5月の大潮でものすごく潮が引く日が多く、さらに陽射も強かったので、浅場のエダサンゴの多くは先端からひどいところでは30cmくらいまでが死んでしまいました。
ただ、これはいわゆる白化現象とは違って、物理的に空気の暴露時間が長かったためと、暑さのために死んでしまった現象ですが、ところどころでは褐虫藻が抜け出てしまう白化現象も見られているので、このまま広がっていかないかが心配なところです。

この白化現象、褐虫藻が共生している生き物であれば、当然起こりうる現象で、サンゴ以外にもシャコガイなどでも知られています。

そして、考えてみれば当然のことなのですが、パラオの名物のひとつでもあるタコクラゲでも白化現象は起こります。
今日カヤックツアーで行ったマリンレイクと呼ばれる海水湖には時々タコクラゲが集まってくるのですが、今日はなんとクラゲの足だけが真っ白になっていたのです。
今まで見たことのあるクラゲとは随分と雰囲気が違って見えます。

半透明で白っぽいクラゲは綺麗に見えますが、命が散る前の儚い美しさでもあります。
サナトリウム文学に出てくるヒロインのようですね…。

これから雨期になって、海が荒れて雨も多くなってきて、水温が下がってくれば改善されてくるとは思うのですが、エルニーニョの年は雨期が穏やかになる可能性が高くなるのもパラオな訳で…。
これ以上深刻にならないのを願うばかりです。

一枚目:先端が白化してしまったミドリイシの仲間
二枚目:足が白化してしまっているタコクラゲ

上杉 誠
posted by ネイチャーガイド at 16:27 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする