比較的淡水域の少ないパラオですが、その割にはトンボの多様性は多いように感じます。
現在のところパラオからは18種類のトンボが確認されていますが、その中で4種類は固有種とされています。実に20%は固有種ということになり、パラオのトンボの特異性の一端が伺えます。
その中でまずご紹介したいのは、その姿が目に付き、数も多いナンヨウベッコウトンボです。
町の中からある程度の森の中まで火山島に広く分布している中型のトンボの仲間で、全身赤い赤とんぼです。
翅全体が赤いのがとても目立つ綺麗なトンボです。
胸部、腹部共に赤く、腹部の節には黒い線が入ります。翅は全体的に赤く、先端のみ透明です。
赤いのはオスの体色で、メスはオレンジ色。
メスは薄いオレンジから褐色に近いオレンジまで体色に変化があります。
臆病ではなく、頻繁にとまってくれる種類なので、写真も撮りやすく、観察しやすい種類です。
水辺に行ったら大概見つけられる、綺麗な種類ですので、パラオのトンボ観察にはもってこいの種類ですね。
Dragonfly of Palau 001
上杉 誠
Makoto UESUGI