スプラッシュTODAY(ネイチャー)

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2017年05月17日

パラオの蝶(019) Melanitis leda. ウスイロコノマチョウ

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ウスイロコノマチョウはパラオで見られるチョウの中では比較的大型の種で、朝夕の薄暗い時間帯か、ほの暗い森の中を飛び回るため、目にする機会は割合に少ない種類です。
体色も地味で飛ぶ速度も早いので、更に目に留まりづらいのですが、時間帯を限ってみれば見つけることが出来ます。

体色は全体的に灰褐色で、後翅裏面にいくつかの眼状斑があるのが特徴。ジャノメチョウの仲間のパラオでの分布は本種のみなので見分けるのは簡単です。
写真の個体は残念ながら後翅後縁が欠けてしまっているので、特徴的な眼状斑がわかりません。

なかなか目に留まることのない種類ですが、早朝や夕方散歩をしていると木陰の下のほうを飛ぶ姿を見る機会があります。

暗い上になかなかとまってくれないので、これまた写蝶好き泣かせの種類であります。

Butterfly of PALAU 019



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 16:06 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月13日

パラオの蝶(018) Eurema blanda タイワンシロチョウ

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タイワンシロチョウはパラオに分布する中型のチョウの仲間です。
森林外縁や市街地で見られますが、例によってなかなかとまってくれずパッと見での判別が付きづらいので、正確な分布ははっきりしません。

パラオで見られるシロチョウの仲間はいずれも翅が白や黄色が入るものばかりで似たり寄ったりのため、飛んでいる段階では判別できないものが多く、さらにはとまっていたとしても判別しずらいのが困ったものです。
正直、じっくり見る機会も多くは無いので、同定には自信がありません(笑)
とは言え、しっかりと写真に収めることができたこの個体は、真っ白な羽とくっきりと黒い縁取りがあり、前翅はギザギザの縁取りになっていることから、タイワンシロチョウのメスではないかと思います。

一見モンシロチョウにも見えるこの仲間には実は沢山の種類が居ます。
日本でも良く見ると実はモンシロチョウじゃないことが多いので、生物の多様さを知るきっかけになってくれる仲間です。
日常の中でちょっとした観察をすることで、身近な生態系の多様性を感じてみるのも楽しいですよ〜。

Butterfly of PALAU 018



上杉 誠
posted by ネイチャーガイド at 14:45 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

パラオの蝶(017) Catopsilia pomana ウスキシロチョウ

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ウスキシロチョウはパラオでは一般的な中型のチョウです。森林外縁や市街地などの開けた場所でよく見られます。

パラオには8種類のシロチョウ科の仲間が分布するとされますが、いずれも盛んに飛び回り、吸蜜したり止まったりする機会が非常に少なく、捕獲による確認以外にはなかなか種の識別が難しいものが多いのが難点です。

その中でも全く特徴が無い事が特徴となるのがウスキシロチョウ。
吸水しているときが僅かに確認できるチャンスですが、翅裏が一様に薄黄色からクリーム色で目立つ斑紋や模様は一切無いのが特徴です。
ウスキシロチョウは銀紋型と無紋型があり、翅の裏面に白い明瞭な一斑紋のあるなしで分けられます。
パラオにおいての分布状況は不明ですが、今のところ観察できているのは無紋型のみとなります。
翅の模様によって雌雄の区別が出来ますが、前翅前縁にある黒い模様の範囲が広いのがメス、僅かに縁取り程度なのがオスとなります。
この模様は翅裏にもうっすらと透けて見えますので、翅を閉じていてもじっくりと見る機会があればわかります。
と言う訳で、写真の一枚目がオス、二枚目がメスということになりますね。

何しろ飛び回ってばかりでとまってくれないので、確認が難しいですが、たま〜にとまってくれて、写真が撮れた時の嬉しさは、格別になります。
採集や標本集めも楽しいものですが、写蝶を言う楽しさもまた良いものですよ〜。

Butterfly of PALAU 017



上杉 誠
Makoto UESUGI
posted by ネイチャーガイド at 09:52 | ネイチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする